

About "All The Fading Words"
スペインを拠点に活動する日本人写真家Asako Narutoによる初の写真集
鳴戸麻子が見つめてきたのは、マドリッドという都市の呼吸に寄り添い、うつろいの中に浮かびあがる日常の風景たちだ。 その作品の大半は、生活圏内のきわめて身近な場所で撮影されたものばかりであるという。
タイトルの『All the Fading Words』は、本書にも掲載される同名のシリーズ作品に由来する。マドリッドの街にひっそりと漂う、語られることのなかった物語の断片をすくい上げながら、失われゆく記憶や存在の儚さを、残像のように映し出す一冊となっている。
作品全体を貫いているのは、内省的で詩的なまなざしだ。とりわけ印象的なのは、そのまなざしが鉄道駅や列車といったモチーフにたびたび注がれている点である。本書には、プリズムフィルターなどの特殊なガラスフィルターを用いて撮影された、夢と現実のあわいに浮かぶような駅の風景も数多く収められている。
巻末には映画監督アランチャ・アギーレによる特別寄稿を収録。深い共鳴と静かな洞察に満ちたその言葉が、作品世界にいっそうの奥行きを与えている。


ご予約受付中。2025年秋刊行予定。
・A4縦ハードカバー(アート紙プリント)
・言語 日/英(西)

